定点公式
- 変化の割合が\( -\dfrac{5}{3} \)で\( \left( \dfrac{1}{2} , -\dfrac{2}{3} \right) \)を通る直線の式を求めなさい。
- 直線\(y=kx+5k+8\)は\(k\)の値に関係なく、ある点を通る。この点を求めなさい。
- 傾きが\(a\)で点\((p,q)\)を通る直線は、\( y=a(x-p)+q \)である。
- \( y=a(x-p)+q \)のとき、\((p,q)\)の点を必ず通る。
これらの性質を「定点公式」と呼ぶ。主に②の性質を指すことが多い。
\( y=a(x-p)+q \)が、点\((p,q)\)を通ることの証明は次のようにできる。
\(y=ax+b\)に点\((p,q)\)を代入すると、\(q=ap+b\)
\(b=-ap+q\)、これを\(y=ax+b\)に代入すると、
\(y=ax-ap+q\)、\(a\)でくくりだすと、
\(y=a(x-p)+q\) [証明終]
しかし、この公式は証明で理解するというよりも、\(y=a(x-p)+q\)をよく見ること。
\(y=a(x-p)+q\)に\(x=p\)に代入すると、\((x-p)\)は0になり、\(a(x-p)\)も0になり、残るのは\(y=q\)のみです。
つまり必然的に\(x=p\)のとき、\(y=q\)になる、その感覚を身に着けておくことが大切。
- 変化の割合が\( -\dfrac{5}{3} \)で\( \left( \dfrac{1}{2} , -\dfrac{2}{3} \right) \)を通る直線の式を求めなさい。
- 直線\(y=kx+5k+8\)は\(k\)の値に関係なく、ある点を通る。この点を求めなさい。
定点公式に代入すると、
\(y=- \dfrac{5}{3}(x- \dfrac{1}{2})- \dfrac{2}{3} \)
\(y=- \dfrac{5}{3}x- \dfrac{5}{3} \times \dfrac{1}{2}- \dfrac{2}{3} \)
\(y=- \dfrac{5}{3}x- \dfrac{5}{6}- \dfrac{2}{3} \)
\(y=- \dfrac{5}{3}x- \dfrac{3}{2} \)
※\(y=ax+b\)に代入するよりも移項がなくて計算が楽です。計算に時間や頭をかけたくない人は定点公式を使いましょう。
\(y=a(x-p)+q\)の形に整理すると、
\(y=k(x+5)+8 \)
\(y=a(x-p)+q\)と比べると、\(p=-5,q=8\)なので、\((-5,8)\)を必ず通る。
\((-5,8) \)
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