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数の性質_倍数_倍数になる条件と証明

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 倍数

 倍数になる条件と証明

例題

次の命題が成り立つことを証明せよ。

  1. 3けたの自然数\(n\)において各位の和が\(3\)の倍数ならば、\(n\)は3の倍数である。
  2. 3けたの自然数\(n\)において各位の和が\(9\)の倍数ならば、\(n\)は9の倍数である。
  3. 下2けたが\(4\)の倍数ならば、\(n\)は4の倍数である。
  4. 下3けたが\(8\)の倍数ならば、\(n\)は8の倍数である。
  5. 3けたの自然数\(n\)において一の位と百の位の和が十の位に等しいとき、\(n\)は11の倍数である。
  6. 4けたの自然数\(n\)において一の位と百の位の和が十の位と千の位の和に等しいとき、\(n\)は11の倍数である。
    まずはこう解け!
 
  1. 条件をしっかり覚えておくこと。証明は当然できるようにしておく。

解答
  1. 3けたの自然数\(n\)において各位の和が\(3\)の倍数ならば、\(n\)は3の倍数である。
  2.  

    \(n=100a+10b+c\)とおく。(\( a,b,c \)は1けたの整数)

    ここで仮定より\(a+b+c=3k\) (\(k\)は自然数)

    \(c=3k-(a+b)\)を代入すると、

    \(
         \begin{eqnarray}
         n&=&100a+10b+c \\
         &=&100a+10b+3k-(a+b) \\
         &=& 99a+9b+3k \\
         &=& 3(33a+3b+k)
         \end{eqnarray}
        \)

    よって、3けたの自然数\(n\)において各位の和が\(3\)の倍数ならば、\(n\)は3の倍数である。

  3. 3けたの自然数\(n\)において各位の和が\(9\)の倍数ならば、\(n\)は9の倍数である。
  4.  

    \(n=100a+10b+c\)とおく。(\( a,b,c \)は1けたの整数)

    ここで仮定より\(a+b+c=9k\) (\(k\)は自然数)

    \(c=9k-(a+b)\)を代入すると、

    \(
         \begin{eqnarray}
         n&=&100a+10b+c \\
         &=&100a+10b+9k-(a+b) \\
         &=& 99a+9b+9k \\
         &=& 9(11a+b+k)
         \end{eqnarray}
        \)

    よって、3けたの自然数\(n\)において各位の和が\(9\)の倍数ならば、\(n\)は9の倍数である。

  5. 下2けたが\(4\)の倍数ならば、\(n\)は4の倍数である。
  6.  

    \(n=100a+b\)とおく。( \(a\)は\(0\)以上の整数、\(b\)は2けたの整数)

    ここで仮定より、\(b=4k\) (\(k\)は自然数)

    \(b=4k\)を代入すると、

    \(
         \begin{eqnarray}
         n&=&100a+b \\
         &=& 100a+4k \\
         &=& 4(25+k)
         \end{eqnarray}
        \)

    よって、下2けたが\(4\)の倍数ならば、\(n\)は4の倍数である。

    ※100が4で割り切れるため、大きい位から100の位までは4で割り切れることを当然として知っておくべき。

  7. 下3けたが\(8\)の倍数ならば、\(n\)は8の倍数である。
  8.  

    \(n=1000a+b\)とおく。( \(a\)は\(0\)以上の整数、\(b\)は3けたの整数)

    ここで仮定より、\(b=8k\) (\(k\)は自然数)

    \(b=8k\)を代入すると、

    \(
         \begin{eqnarray}
         n&=&1000a+b \\
         &=& 1000a+8k \\
         &=& 8(125+k)
         \end{eqnarray}
        \)

    よって、下3けたが\(8\)の倍数ならば、\(n\)は8の倍数である。

    ※1000が8で割り切れるため、大きい位から1000の位までは8で割り切れることを当然として知っておくべき。

  9. 3けたの自然数\(n\)において一の位と百の位の和が十の位に等しいとき、\(n\)は11の倍数である。
  10.  

    \(n=100a+10b+c\)とおく。(\( a,b,c \)は1けたの整数)

    ここで仮定より\(a+c=b\)

    \(b=a+c\)を代入すると、

    \(
         \begin{eqnarray}
         n&=&100a+10b+c \\
         &=&100a+10(a+c)+c \\
         &=&110a+11c \\
         &=& 11(10a+c)
         \end{eqnarray}
        \)

    よって、3けたの自然数\(n\)において一の位と百の位の和が十の位に等しいとき、\(n\)は11の倍数である。

  11. 4けたの自然数\(n\)において一の位と百の位の和が十の位と千の位の和に等しいとき、\(n\)は11の倍数である。
  12.  

    \(n=1000a+100b+10c+d\)とおく。(\( a,b,c,d \)は1けたの整数)

    ここで仮定より\(a+c=b+d\)

    \(d=a+c-b\)を代入すると、

    \(
         \begin{eqnarray}
         n&=&1000a+100b+10c+d \\
         &=&1000a+100b+10c+a+c-b \\
         &=& 1001a+99b+11c \\
         &=& 11(91a+9b+c)
         \end{eqnarray}
        \)

    よって、4けたの自然数\(n\)において一の位と百の位の和が十の位と千の位の和に等しいとき、\(n\)は11の倍数である。

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    ※何桁であっても、奇数番目の位の和と偶数番目の位の和が等しいとき、その数は11の倍数になる。

    例) 135795

    奇数番目の位の和=1+5+9=15

    偶数番目の位の和=3+7+5=15

    奇数番目の位の和と偶数番目の位の和が等しいので、135795は11の倍数であり、

    \(135795=11 \times 12345\)である。

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    ※さらに厳密にいえば【奇数番目の位の和】と【偶数番目の位の和】の差が11の倍数(0やマイナス含む)のとき、その数は11の倍数になる。

    【証明】6けたの数のとき

    \(n=100000a+10000b+1000c+100d+10e+f\)とおく。

    ここから11の倍数のパーツを作っていく。

    \(
         \begin{eqnarray}
         n&=&100000a+10000b+1000c+100d+\color{red}{10e}+f \\
         &=& 100000a+10000b+1000c+\color{blue}{100d}+\color{red}{11e-e}+f \\
         &=& 100000a+10000b+\color{red}{1000c}+\color{blue}{99d+d}+11e-e+f \\
         &=& 100000a+\color{blue}{10000b}+\color{red}{1001c-c}+99d+d+11e-e+f \\
         &=& \color{red}{100000a}+\color{blue}{9999b+b}+1001c-c+99d+d+11e-e+f \\
         &=& \color{red}{100001a-a}+9999b+b+1001c-c+99d+d+11e-e+f \\
         &=& 100001a+9999b+1001c+99d+11e-a+b-c+d-e+f \\
         &=& 11(9091a+909b+91c+9d+e)+(-a+b-c+d-e+f)
         \end{eqnarray}
        \)

    小さい方から数を作っていくと規則性に気づく。1001は11の倍数であることは知っていてほしいが、1001や100001が11の倍数であることを疑いながら式変形をする。

    よって、\((-a+b-c+d-e+f)\)が11の倍数であれば、\(n\)は11の倍数である。

    \(-a+b-c+d-e+f=(b+d+f)-(a+c+e)\)であり、【奇数番目の位の和】と【偶数番目の位の和】の差を表す。

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